サポートチームが対応するお問い合わせの多くは、FAQ(よくある質問)に関する内容です。こうした問い合わせ件数を減らすため、多くの企業ではウェブサイトにFAQページを設け、顧客が自分で答えを見つけられるようにしています。しかし、現在ではFAQに関する問い合わせに、さらに効率的かつ現代的に対応できる方法があります。それが「FAQチャットボット」です。
FAQチャットボットを利用すれば、顧客は質問を入力するだけで、待つことなくすぐに正確な回答を受け取れます。これはサポート対応のあり方を大きく変えるものであり、サポートチケットの削減や応答時間の短縮、顧客・従業員双方の満足度向上に最適なソリューションです。
貴社でもFAQチャットボットの導入を検討されている場合は、ぜひ本ガイドをご参照いただけます。FAQチャットボットの基本から、ノーコードで自社用FAQチャットボットを作成する手順まで、詳しく解説します。
FAQチャットボットとは?
FAQチャットボットとは、よくある質問に自動で回答するボットやソフトウェアソリューションです。顧客が質問を入力すると、その内容を理解し、あらかじめ学習したデータをもとに適切な回答を返します。
FAQチャットボットは、ウェブサイト(ライブチャット)、ECプラットフォーム、WhatsApp、モバイルアプリ、SNSなどに統合可能です。一度導入すれば、24時間365日いつでも顧客の問い合わせに即時対応できます。
FAQチャットボットの種類
デジタル技術の進化により、FAQチャットボットにもさまざまな種類が登場しています。代表的な3つのタイプは以下の通りです。
1ルールベースFAQチャットボット
ルールベース(スクリプトベース)のFAQチャットボットは、あらかじめ決められたシナリオやルールに従って動作します。顧客の入力ごとに、決定木のような仕組みで特定の回答を返します。すべての顧客に同じ回答を提供しますが、会話から学習したり文脈に応じた対応はできません。そのため、シンプルな質問への回答にのみ適しています。
2AI FAQチャットボット
AI FAQチャットボット(会話型FAQチャットボット)は、AI技術を活用してFAQに回答するチャットボットです。自然言語処理(NLP)などのAI技術を使い、顧客の質問の文脈や言葉を理解します。人間のような会話でやり取りし、質問内容に応じてより自然で適切な回答を提供します。つまり、AI FAQチャットボットはバーチャルな人間エージェントのように、顧客対応を人間らしく行うことができます。シンプルなFAQから複雑な内容まで幅広く対応できるのが特徴です。
3ハイブリッドFAQチャットボット
ハイブリッドFAQチャットボットは、ルールベースとAI FAQチャットボットの両方の特長を組み合わせたものです。シンプルな質問にはルールベースで回答し、複雑な質問にはAIを活用して文脈に応じた回答を行います。これにより、幅広いFAQに柔軟に対応できます。
FAQチャットボットの活用事例
FAQチャットボットは、顧客からのお問い合わせ対応やよくある質問への回答を目的としたものと考えられがちですが、実際には顧客だけでなく従業員向けにも活用できます。主な活用例は次の通りです。
顧客向け
顧客はFAQチャットボットを活用することで、ウェブサイトを探し回ったり、サポート担当者の返答を待ったりせずに、すぐに疑問を解決できます。
顧客向けのユースケースとして、さらに3つの活用パターンがあります。
- 問い合わせ対応:FAQチャットボットは、顧客からのシンプルな質問にも複雑な問い合わせにも自動で対応できます。迅速かつ正確に回答できるのが最大の特長です。
- リード獲得:AI FAQボットは顧客と対話し、連絡先情報を取得して営業チームに引き継ぐことができます。また、顧客の好みに合わせて商品を提案することも可能です。
- アフターセールスエンゲージメント:FAQチャットボットは、購入後のお客様ともコミュニケーションを継続できます。商品やサービスに関する質問対応やトラブルシューティングのヒントを提供し、過去の会話から学習して関連商品を提案したり、プロモーションを送信したりして顧客との関係を深めます。
従業員向けの活用
FAQチャットボットは、従業員が社内ナレッジベースへアクセスしたり、疑問点を解消したりする際にも活用できます。人事やIT、管理部門で繰り返し発生する問い合わせ対応の負担を軽減できます。
- 人事:休暇、給与、入社手続き、福利厚生など、よくある人事関連の質問に自動で回答できます。人事担当者の業務負担を削減します。
- ITヘルプデスク:パスワードリセットや初期設定ガイドなど、頻発するIT関連の課題を自動で解決できます。サポートチケット数の削減に貢献します。
- 社内管理・オペレーション:社内ツールやポリシー、手順に関する質問に即時対応できます。日常業務の効率化を実現します。
FAQチャットボットのメリット
FAQチャットボットは、顧客の期待値が高まる現代の競争環境において、企業に多くのメリットをもたらすツールです。71%の消費者(16~24歳)は、「迅速なカスタマーサービス対応が顧客体験を大きく向上させる」と考えています。
FAQボット導入で得られる主なメリットは以下の通り:
- 24時間365日の顧客対応:FAQチャットボットを導入すれば、休憩や休日なく24時間365日、顧客からの問い合わせに自動で対応できます。
- 即時レスポンス:FAQチャットボットは、顧客が担当者を待たずにすぐに回答を得ることができます。
- 一貫した回答:事前に学習したナレッジベースを活用し、FAQチャットボットが常に正確で一貫した回答を提供します。人的ミスや対応のばらつきを防げます。
- 顧客満足度向上:顧客が迅速かつ正確な回答を得られることで、顧客満足度やブランドロイヤルティが向上します。さらに、72%の消費者が「満足した体験を6人以上に伝える」と回答しています。
- パーソナライズ対応:顧客はあらゆる接点でパーソナライズを求めています。AI FAQボットは、顧客の状況や好みを理解し、最適な回答を提供できます。
- コスト削減:FAQチャットボットがよくある質問を自動対応することで、オペレーターの負担を軽減し、人件費や社内対応コストの削減につながります。
- スケーラビリティ:ビジネス拡大に伴う問い合わせ増加にも柔軟に対応できます。問い合わせ数が増えても、一貫した対応を維持できます。
- 多チャネル連携:FAQチャットボットは、Webサイトやアプリ、SNSなど複数のチャネルと連携できます。
要するに、FAQチャットボットはカスタマーサポートチームの最適なパートナーです。業務負担を減らし、一貫した回答で顧客エンゲージメントと満足度の向上を実現します。
FAQチャットボットの導入事例
FAQチャットボットは、銀行、医療、教育、航空などさまざまな業界のブランドで活用されています。ここでは、実際のFAQチャットボット導入事例を紹介します。
1. Payoneer
Payoneer は、オンライン送金、マルチカレンシー口座の開設、デジタル決済サービスなど、幅広い金融サービスを提供している企業です。公式ウェブサイトでは、FAQチャットボットを利用してさまざまな問い合わせに対応できます。必要に応じて、チャットを有人オペレーターへ切り替えることも可能です。
2. Buoy Health
Buoy Health は、ハーバード・イノベーション・ラボのコンピューターサイエンティストと医師のチームによって開発されたチャットボット型の診断サービスです。ユーザーの健康状態を確認するために質問を行い、最適な解決策を提案します。
3. Turkish Airlines
Turkish Airlines は、世界最大級の航空会社の一つで、130カ国265都市以上へ国際線を運航しています。公式サイトでは、FAQチャットボットが利用でき、手荷物許容量、紛失手荷物、チケットに関する質問など、幅広い情報を案内します。
FAQチャットボット導入時によくある失敗と回避ポイント
1 FAQコンテンツの不備・整理不足
-問題: 十分なナレッジベースがないと、混乱や誤った回答の原因になる。
-ポイント: FAQをトピックごとに整理し、分かりやすい回答を作成しましょう。よくある質問を優先してください。
2 キーワード依存度が高すぎる
-問題: ルールベースのボットは、ユーザーが異なる表現をした場合に対応できないことが多いです。
-ポイント: キーワードのバリエーションを増やし、可能であればNLPを活用して理解力を向上させましょう。
3 ユーザー体験の質が低い
-問題: 応答が遅い、ボタンが分かりづらい、定型的な返答ばかりだとユーザーが不満を感じます。
-ポイント: シンプルなフロー設計、クイックリプライの提供、役立つフォールバックメッセージを用意しましょう。
4 人によるサポートへの切り替えができない
-問題: 有人オペレーターに引き継げないと、ユーザーが行き詰まります。
-ポイント: 必要な時は必ず有人対応に切り替えられるオプションを用意しましょう。
5 チャネルが限定されている
-問題: ウェブサイトだけに導入すると、他のプラットフォームのユーザーを取りこぼします。
-ポイント: マルチチャネル対応(例:WhatsApp、Telegramなど)が可能なチャットボットを選びましょう。
FAQチャットボットを3ステップで作成する方法
FAQチャットボットの基本と重要性を理解したところで、「FAQ用チャットボットの構築には専門的な知識が必要」と思うかもしれません。しかし、実際はとても簡単に本格的なFAQ用チャットボットを作成できます。以下の3ステップで、初めてのFAQボットを作成可能です。
ステップ1. 戦略を立てる
まず、FAQチャットボットの目的や運用方針を明確にしましょう。以下のポイントを検討してください。
- FAQチャットボットの目的を明確に設定(例:サポート対応の自動化、リード獲得など)。
- FAQチャットボットの種類を決定(ルールベース型、AI型、ハイブリッド型など)。
- 目標を定義(顧客満足度向上、コスト削減など)。
- FAQチャットボットの導入先を決定(ウェブサイト、SNS、モバイルアプリなど)。
- チャットボットのトーンやキャラクターを決定。
戦略をまとめたら、これらの重要なポイントに集中し、FAQチャットボットを正しく構築します。
ステップ2.チャットボットプロバイダーを選択
次に、ノーコードでFAQチャットボットを作成できるプラットフォームを選定します。現在、多数のチャットボットプロバイダーが存在するため、比較検討し、貴社のニーズに最適なものを選びましょう。
適切なチャットボットプロバイダー選びに迷った場合は、本ガイドパート4でおすすめのプロバイダーを紹介しています。
ステップ3.回答内容を作成し公開
チャットボットプロバイダーを選んだら、次はFAQチャットボットの学習です。チャットボットに回答させたいFAQの内容を作成し、学習データとして登録します。中には、ウェブサイトやファイルから直接質問を抽出できるチャットボットもあります。その場合は、URLやファイルをアップロードすることで、プラットフォームが自動で回答を生成します。
学習が完了したら、チャットボットの応答をテストします。問題がなければ、希望するプラットフォームに統合し、公開しましょう。
以上で完了です!このように、短時間かつ簡単に高品質なFAQチャットボットを構築し、顧客対応をレベルアップできます。
デモ体験ノーコードでFAQチャットボットを作成
ノーコードでFAQチャットボットを作成するには、直感的な操作ができるプラットフォームを活用します。GPTBotsはまさにその要件を満たすサービスです。
GPTBotsは、AI FAQボットをノーコードで作成できる強力なプラットフォームです。事前設計されたテンプレートや、ウェブサイト・PDF・各種ドキュメントなど多様なファイルから効率的にボットを学習させる機能を備えています。
GPTBotsのAIエージェントテンプレートを使えば、ノーコードで素早くFAQチャットボットを作成できます。テンプレートから最適なものを選び、自社の知識ベースで学習させ、希望のプラットフォームと連携するだけです。
GPTBotsの主な特徴
- ノーコードでボットを作成。
- 事前設計テンプレートをワンクリックで利用。
- 自社のナレッジベースをアップロードするだけでボットを学習。
- テキスト・画像・動画など、複数の入力形式に対応。
- 主要なプラットフォームと連携。
- 企業専用APIを割り当て。
- FAQボットの会話フローをビジュアルで設計。
- カスタマーサポート、リード獲得、従業員支援など幅広い用途のボット構築をサポート。
まとめると、GPTBotsは高機能なFAQチャットボットを簡単に構築できるAI FAQチャットボットプラットフォームです。
利用開始はとても簡単です。GPTBots公式サイトにアクセスし、アカウントを作成。FAQチャットボットのテンプレートを選択し、ナレッジベースをアップロードしてチャットボットを公開。
今すぐGPTBotsで、最初のAI FAQボットを作成。
まとめ
FAQチャットボットは、顧客への迅速な回答提供、サポート業務の負担軽減、顧客・従業員満足度の向上に最適です。さらに、競争力や顧客維持率アップにも貢献します。今こそ行動の時です。FAQボット戦略を立て、GPTBotsを活用してノーコードAI FAQボットをすぐに構築しましょう。
営業に相談






